ちいちゃんパパのブログ

日々の、あることないこと。なんて、ほんとはちがう目的だったんですけど。まあ。いろいろ

よるくま

先週から始まったちいちゃんの咳はやっぱり長引いていて、一昨日の夜からずいぶんと苦しそうだったので昨日はまた学校をおやすみ。

 

エレクトーンの日でもあったけど、それもおやすみ。ぼくも小学校の低学年は咳をすることが多くて学校をよく休んだらしいけど、なんだか悪いところが似てしまうものですね。

 

でもね。

 

大丈夫。ぼくも小学校高学年になるにつれ学校を休まなくなったし、中学、高校とほぼ皆勤賞だったから。

 

ほぼ、というのが微妙なんですけど、自転車通学をしていた高校のときその自転車がパンクしちゃったんですね。で、間に合わなかった。先生に交渉をしたんだけど、「ちゃんと手入れをしていないのが悪い」ということでアウト。先生の言うことはごもっともだけど、ぼくのなかでは皆勤賞なのです。

 

だからね、ぼくに似ているちいちゃんもきっと大丈夫。「パパってさ、ひょろひょろしてるのに風邪ひかないよね」って、どこかの誰かさんに言われるくらいに元気になるから。

 

ね。

 

***

 

週末におでかけをするとたいていは本屋さんに立ち寄ります。我が家のひとたちはみんななんだか本好きで、ちいちゃんがもっと小さかった頃から本屋さんにはお世話になりっぱなし。妻が買物しているあいだとかはよくちいちゃんと2人で時間をつぶしたものです。

 

でも、なんでかな。もうちょっと小さかった頃のちいちゃん、妻と一緒だとけっこう静かに本を見ているのに、ぼくと一緒だとなぜか走り出す。

 

で、

 

ちょっとした追いかけっこ。ぼくが小さなこえでお店で走っちゃダメって言われてるでしょと言うと、

 

「走ってないもん」と、答えます。「早足だもん」

 

確かにね、そうなんだけど。けど、ぼくだって負けてはいないのだ。「甘いよ、ちいちゃん。まだまだきみは軽いのだ」

 

軽々と持ち上げて、絵本の前へと降ろすわけです。けれども、ちいちゃんの方がさらに上手で。

 

「甘いのはパパだよー」と、ちいちゃんはまたもや脱走。そんなことが何度か繰り返されて2人とも疲れちゃった頃に妻が戻るというのが、ちいちゃんがいまよりもうちょっと小さかった頃のおはなし。

 

もちろんいまは、そんなことはありません。

 

ん、

 

まあ、たまにね。いけないと分かっているのですけれど、ちょっとした追いかけっこをしてしまいますが、、、。すみません。まわりに迷惑をかけないように、そしてちいちゃんが転ばないように細心の注意を払います。けど、

 

ちなみにこれ、子供服売り場なんかでも繰り広げられます。

 

「ちょっと誰の服、選んでると思ってるの」

 

「パパもさ、もっと注意してよね」

 

はい。

 

ごもっともです。返す言葉もございません。ごめんなさい。ちいちゃんとぼくはそろって謝るわけです。

 

さて、

 

このごろの本屋さんはどこも子ども向けの本の売り場が充実していて、たいてい子どもたちが座って本を読めるようになっています。

 

茅ヶ崎のイオンスタイルなんかは特に充実していて、1コーナー子ども向けの本が集められた本棚に囲まれた場所のなかに大きな丸テーブルがあってじっくり座って本が読めるようになっていて、ちいちゃんもそこで興味のある本を探しては座って読んでいるのですが、そのあいだにぼくもなんとはなしに絵本や児童書を見てまわります。

 

その日ぼくが気になってしまったのが、「よるくま」という絵本。

 

よるくま

よるくま

 

 

作者は酒井駒子さん。酒井駒子さんの絵はなんというか、とても好きなタイプの絵でこんなあたたかな絵が描けたならいいなあと思わされます。

 

そして酒井駒子さんというと、ぼくにとっては湯本香樹実さんとの競作、「くまとやまねこ」という絵本。湯本香樹実さんはとても好きな作家の1人で、「死」を描いたその絵本はいまではないけれど、遠くないいつかちいちゃんにも読んで欲しいなあと思っている絵本でもあります。

 

「よるくま」も、とても有名な絵本なので以前から知っていましたが、改めて読んでみたら、なんかこう引き込まれてしまった。

 

「ママ、あのね、きのうのよるね、かわいいこがきたんだよ」

 

ある夜、小さな男の子の部屋に訪れたかわいいこ。それが、よるくま。いなくなってしまったよるくまのお母さんを探して男の子はパジャマのまま部屋を抜け出して。

 

幼い頃、ぼくは異世界にあこがれた。ピーターパンやナルニア国ものがたり不思議の国のアリスムーミンとかもそうかな。そしてちょっと大きくなるとゲド戦記なんかが、とてもとても好きでした。

 

なんか、ちょっとぼくがいまいる場所と違う場所。

 

そんな世界へのとびらを開くのが夜でした。昼間、大きな空や白い雲を見て空想を広げるよりもぼくはなぜか夜、布団のなかで想像をふくらませる方が好きでした。夜の暗闇は怖いけれど、布団のなかはぼくだけの世界で、ぼくはその世界のなかで自由に想像の翼を広げた。

 

「よるくま」を読んでいて、ぼくが思い出したのはなぜかそんなこと。この男の子もいつかそんなふうに夜の世界のなかでいろいろな冒険を繰り広げるのではなかろうか?

 

ものがたりとはぜんぜん関係がないのだけれど、そんなことを思ったりした。そんなことを思っちゃうのはぼくだけかもしれないけれど、そんな広がりのあるやさしさに満ちたとても素敵な絵本です。

 

で、

 

そんな絵本をちいちゃんに薦めようとして、でもぼくは止めました。ちいちゃんはすでに自分で、自分の世界を広げる本を見つけていたからです。

 

ねえ、

ちいちゃん。

 

ちいちゃんももう、いつかのぼくがそうだったみたいに自分だけの秘密の世界を持っているのかもしれないね。いつか、それがどんな世界なのか教えてくれたならうれしいけれど、でもそれを聞くのはやめておくね。

 

それはきっと、

ちいちゃんだけのたいせつな世界だと思うから。