ちいちゃんパパのブログ

日々の、あることないこと。なんて、ほんとはちがう目的だったんですけど。まあ。いろいろ

夏になったらアイスをつくろう

日曜日、ここのところなんだかんだと休日も仕事が続いているぼくが帰るとちいちゃんはかけよってきて言った。

 

「パパにはこれだよ」

 

そしてちいちゃんが渡してくれたのは、「ルルとララのアイスクリーム」という児童書。ルルとララのおかしやさんシリーズは、ちいちゃんが小学生になって出会った児童書で、かえでの森にかこまれたメープル通りで小学生のルルとララが営む小さなおかしやさんには森の動物たちが訪れて、、、という物語。

 

やさしく動物たちに寄り添うその物語と、とてもかわいらしい装丁のその本をちいちゃんはとても気に入っているし、ぼくはぼくでこどもでも作りやすいようにかわいらしく、分かりやすく描かれたレシピがとても好きで、そんなお菓子をちいちゃんと作ることをとても楽しみにしているのです。

 

だからかな、組合のイベントのお手伝いで日曜日も出勤となったぼくがいない間、ばあばの家からの帰り、図書館でひととき過ごしたちいちゃんは、自分の読みたい本だけじゃなくてぼくの分まで借りてきてくれたわけです。

 

「だって」と、ちいちゃんは言いました。「パパって、お菓子作りが大好きでしょう。だからね、借りてきたんだよ。今度、一緒に作ろうね」

 

組合のイベントは市民ふれあいマーケットというフリーマーケットの一角で行う古本販売で、ぼくは売り場の設営と販売のお手伝いをした。こういうイベントは普段は事務所内で黙々と仕事をするぼくにとっては組合員や市民のかたとそれこそふれあえる貴重な機会だし、実際楽しいのだけれど、でもやっぱりせっかくの休みにちいちゃんと過ごせないのは淋しくもあるわけで。

 

だから、

ちいちゃん。

 

ちいちゃんが一緒にいないぼくのために本を選んでくれたことが、ぼくはとてもとてもうれしかったんだよ。そんなふうに一緒にいない誰かのことを思いやってあげられるこころやさしいちいちゃんがパパはいつでも大好きだよ。

 

***

 

さて、

 

ちいちゃんが選んでくれた「ルルとララのアイスクリーム」は、とてもこころあたたまる、やさしい物語でした。

 

ここのところ普段も帰りの遅い日が多くなっていて、そうするといままでのように夕食後に食器類の洗い物をして、妻がお風呂に入っているあいだごっこ遊びをして、そして一緒にお風呂に入って、寝室へ。

 

という流れだと、ちいちゃんの寝る時間がかなり遅くなってしまう。なので、そんな日は洗い物は後回しにしてちいちゃんを先に寝かしつけてから、洗い物をするわけなのですが、洗い物が終わったころにはなんだか目が冴えちゃって眠れなくなってしまったりするのです。

 

で、

 

そんな夜はぼくの密かな読書タイム。

 

といっても、それなりにいい年なのであんまり無理もできないから、読むのはだいたいちいちゃんが借りてきた本。ある程度の時間になったら目が冴えていようがいまいが無理やり寝ます。だって、身体は正直でもうちょっと若い頃みたいにはすぐに疲れは抜けなかったりするのです。

 

はい。

 

それで、

 

「ルルとララのアイスクリーム」はそんな夜に読み終わりました。

 

それはとても暑い夏の日、小学生のルルとララには重たい材料運びを手伝ってくれたアライグマに大好きなクッキーでお礼をしようとすると、

 

「これはぼくからのお礼なんだ」と、アライグマは言いました。だからお礼は受け取れないと。そして見せてくれたのは「お礼リレー」の手紙。それは自分へのお礼は私じゃない誰かに受け取ってもらってください、という内容の手紙だったのです。

 

そんな手紙を読んでルルとララはとてもうれしくなります。そして実はその手紙の始まりはルルとララにお菓子作りを教えてくれるおとなりのパン屋さん、シュガーおばさんで、ルルとララは森のみんなと、そしてシュガーおばさんにお菓子のお礼をしたいと考えました。

 

でも、暑い夏のこと、夏バテ気味の森の動物たちはあんまり食欲がありません。そこでシュガーおばさんが教えてくれたのが、アイスクリーム。そしてあまりの暑さにゆきだるまにかじりつきたいくらい、なんて言うシュガーおばさんに、ルルとララはとても素敵なお礼をするのです。

 

自分じゃない誰かへのやさしさが、巡りめぐって自分に帰ってくるというのはありふれたストーリーかもしれないけれど、それがとても自然に、決して押しつけることなく描かれていてうれしくなる。

 

ねえ、

ちいちゃん。

 

きっと押しつけがましいやさしさや、強制的なやさしさなんかいらないんだね。

 

ちいちゃんがぼくにも本を借りてきてくれたようなやさしさこそ、きっとたいせつなんだと思う。だから、ぼくはこんなにうれしくて、そんなちいちゃんからとてもたいせつなことを学んだ気がするし、そんなやさしいちいちゃんを誰よりも誇りに思うんだよ。

 

素敵な本を借りてきてくれてありがとう。パパのこと、思い出してくれてありがとう。

 

***

 

恥ずかしながら、ぼくはこの本でアイスクリームの作り方を初めて知った。なんだか勝手に難しく思っていたけど、けっこう簡単。

 

材料は生クリーム100グラム、牛乳200グラム、卵の黄身2個、砂糖(グラニュー糖)45グラム、バニラエッセンス少量。

 

作り方はまず生クリームをつのが立つくらいまで泡立て、冷蔵庫で冷やしておく。

 

ボウルに卵の黄身と砂糖を加えて白っぽくなるまで混ぜ、そこに電子レンジで2分30秒ほど温めた牛乳を加えて砂糖がとけるまで混ぜる。

 

それを電子レンジでさらに2分温めてあみで濾し、氷水で冷やしながら2~3分ほど泡立て、冷やしておいた生クリーム、バニラエッセンスを少量加えてなめらかになるまで混ぜる。これをタッパーやカップに入れて冷凍庫で4~5時間冷やしたら完成。

 

簡単でしょ。

 

だからさ、

ちいちゃん。

 

まだちょっと、アイスって時期じゃないけれど、夏になったらアイスをつくろう! ちいちゃんのやさしさのいっぱいつまったアイスクリームをたくさんつくろう。