ちいちゃんパパのブログ

日々の、あることないこと。なんて、ほんとはちがう目的だったんですけど。まあ。いろいろ

醒めない

妻とケンカして、こどもみたいにずっと買わずに我慢してたものを買ってしまった。スピッツのCD。

 

「醒めない」

 

なんか、

 

最近のスピッツはすごくストレートだなって思う。まだまだ醒めない。アタマんなかでロック大陸の物語が、最初ガーンとなったあのメモリーに今も温められてる。さらに育てるつもり。

 

なかなかいい年して醒めない、とは言えないものだけど、でもそういうのってすごくかっこいいって思う。

 

***

 

先週、授業参観があった。

 

妻の体調が良くなかったこともあったし、1年に1度くらいは学校でのちいちゃんの様子を見てみたいなあという気持ちもあってぼくが行ってくることに。

 

1年生だった去年は1学期毎に1度、3回の授業参観があったけれどぼくが出席できたのは最初の1回だけ。

 

そのときははじめての授業参観だったからか、それほど多くはなくとも何人かお父さんはいたのだけれど、今回はお父さんはほぼぼくだけ。ほぼというのはもうひとり来ていたお父さんは兄弟姉妹がいるのか出たり入ったりだったから。

 

なのでなんとなく、ぼくとしてはちょっとしたいごごちの悪さを感じながらの授業参観だったのだけれど、こどもたちにはもちろん関係はなくてお父さんが来ていることが珍しいのか、

 

「だれのお父さん?」

 

で、

 

ぼくが答えようとするとちいちゃんの友達の女の子が、「ちいちゃんのお父さんだよ」と代わりに答えてくれた。

 

授業参観の内容は国語で、「ふきのとう」というおはなしの音読。4つくらいの班に分かれたこどもたちがそれぞれ担当した登場人物のセリフを前に出て音読していくというもの。

 

こどもたちの音読は、とても素敵だった。

 

もちろん長短それぞれで、大きな声でしっかり読み上げる子や表情豊かに感情を込めて丁寧に読み上げる子もいれば、早口になってしまったり、恥ずかしがっていたり、声が小っちゃくなってしまっていたり、教科書で顔を隠してしまったりする子ももちろんいて、でもみんな一生懸命。一生懸命な姿がとても素敵で、かわいらしかったり、かっこよかったり、とても心打たれた。

 

ちいちゃんはというと、ちょっと照れちゃってたのか、だんだんと教科書が上に上がってきてなんか顔が見えないよってこともあったけど、気持ちを込めて、いつものちいちゃんとはちょっと違うちょっと大人びた、とてもやさしい声で雪のセリフを読み上げていた。

 

「とても素敵だったよ」

 

席に戻ってきたちいちゃんにぼくが言うと、ありがとうと言ってちいちゃんは笑った。なんだかその表情がまた大人びていて、いつのまにか、ほんとうにものすごいスピードでちいちゃんは成長しているんだなって、そんなことを思った。

 

ちょっとだけ残念だったのは担任の先生の考えが伝わってこなかったことかもしれない。普段の授業風景を見てもらうっていう意図なのは分かるし、きっと授業参観というのはこういうものなのだろうけど、なんの説明もなく普通に授業が始まり、そして終わってしまった。

 

個人的には、これからどんな授業をするのか、こどもたちにどんなことを伝えたいのか、そのためにこんなことをしてきた、みたいなことを最初に説明してくれたらよかったのにと思ったりした。

 

だってもともと授業参観なんて普通のことではないんだし、こどもたちだって普通の授業だなんて思ってないのだから、特別感丸出しでもいいんじゃないかなってぼくはそんなことを思うから。楽しく、無邪気にね。

 

なんて、

 

それは先生じゃないから言えるのかもしれないし、ぼくは行けなかったのだけれど、授業参観のあと学校説明会というのがあったのでそこでちゃんと説明されていたのかもしれない。

 

***

 

こどもたちの授業を受ける姿を見ていて、なんとなくぼくは自分がこどもだったころのことを思い出したりしていた。

 

具体的なことはなにも思い出せない。どんな授業だったか、なにをしたか。でもいつも母が来てくれて、ぼくはなんとはなしにそわそわとふわふわとした気持ちでいたような、そんな気がする。

 

あのころ、ぼくはどんなことを考えていたのかな? どんな未来を想像していたのだろう。それともなんにも想像もしていなかったかな。

 

ただ、

 

ふわふわそわそわした気持ちはいまも変わらない。たいしたひとでもないのに、もっともっとなにかできるんじゃないかって気がしている。

 

こんなはずじゃない。

 

もっともっとなりたい自分があって、ぼくはまだまだどこにも辿りついていない。でも考えてみたら生きているかぎり辿りつく場所なんてないのかもしれない。

 

醒めない。

 

それってこういうことも言うのかな。ぼくにはロック大陸のような、ガーンときたものなんてないけれど、なんかずっとそういうものにあこがれて、それを探し続けているような気がする。

 

ねえ、

ちいちゃん。

 

きっとなにか、あるはずだよね。それっていくつになったって変わらない。ぼくもきみたちと一緒。きみたちがこれから探し続けるものを、ぼくもまだ探し続けている。