ちいちゃんパパのブログ

日々の、あることないこと。なんて、ほんとはちがう目的だったんですけど。まあ。いろいろ

クリスマスの夜

クリスマスイブの夜は、フライドチキンや唐揚げなどの詰め合わせと手まり寿司、もちろんクリスマスケーキも用意して、ちょっとしたパーティ。

 

最近、お気に入りのおうちカラオケでちいちゃんと妻は楽しく歌って、踊って(NiziUの歌に合わせてほんとうに踊っている)、ぼくはぼくで手頃な値段のチリの赤ワインを飲んでそんなふたりを眺めている。

 

ここ一年ほどでアルコール量がかなり増えた。毎晩のようにウイスキーをロックで数杯飲むようになったし、誕生日やクリスマスといったイベントごとがあれば、ワインだの日本酒だのを飲んでいる。ほぼ一人で一本空けちゃうんだからかなりの量だ。そんなこんなでお酒にも強くなった。

 

二日酔いになるようなことはさすがにないけれど、でも酔っぱらってしまえば心持ち明るくなるし、楽しくなる。キャンプの夜にNiziUの曲に合わせて踊ったというダンスを楽し気に踊るちいちゃんを見て幸せだなあと思う。「パパも踊る?」ってちいちゃんが言うけど、そんなの絶対無理だから、遠慮しとくよとぼくは苦笑しながら答えた。

 

そんな夜だったので気持ちもよくなって、いつのまにか寝てしまったみたい。「お風呂入るね」ってふたりが言うから(なにかといまだにふたりで入る)、「うん、行ってらっしゃい」って答えたところまでは覚えているのだけれど、次に気がついたときは午前2時。

 

「うわ」とぼくは言った。寝落ちしてしまった。いつだったかまだ新年会だの総会の懇親会だのが普通にあったころに組合の知人が「俺はもう起こしてもくれなくなっちゃったよ」と悲しげに話していたことがあったけど、気がついたらぼくも同じになっていた。でもまだ毛布を掛けていてくれるだけありがたいのかもしれない。

 

起き上がって水を何杯か飲んで、そこでふと考えた。ぼくは何かを忘れている。今日は、いやもう12時を過ぎているから昨日はクリスマスイブで、今日はクリスマス。イブの夜だからサンタはトナカイに乗ってプレゼントを届けるいちばん忙しい夜だ。ごくろうなことだなとぼくは思った。で、気がついた。ちいちゃんのサンタはぼくじゃないか!

 

2時で良かった。あやうくちいちゃんに「クリスマスにサンタが来ない」という経験をさせちゃうとこだった。以前に「偽サンタ現る」という経験をさせてしまった前科のあるぼくは急いで、でもなるたけ音を立てないように自室に上がり、プレゼントを手に取って寝室のドアを開けた。

 

ちいちゃんは布団から半分飛び出て、なんだかちょっと苦し気な顔で寝ていた。いったいどんな夢を見てるのか分からないけれど、とりあえず体調が悪いようではなさそうだから分厚い羽毛布団が暑かっただけなのかもしれない。もしかしたらサンタが来ない夢でも見ていたのかもしれない。

 

枕の横に大きなサンタ柄の靴下のかたちをした袋が置かれている。ぼくは音を立てないようにプレゼントをその袋の中に入れて、そっと元の場所に置いた。朝、起きたときちいちゃんはそれを見てどんな顔をするのかなとぼくは思った。クリスマスは土曜日だけれどぼくは仕事だから、ちいちゃんのそれを見ることはできない。

 

ちいちゃんに少し薄めの羽毛布団だけ掛け直して、ぼくはじっとちいちゃんを見つめた。こんなふうにちいちゃんの顔を見つめるのはずいぶんと久しぶりの気がした。大きくなったなあ、とぼくは思った。そりゃもう小学5年生だから大きくもなるんだけれど。

 

あと何回、こんなふうにちいちゃんを見つめることができるだろう。長いようであっという間に時間は過ぎるからたいせつにしなくちゃいけないな。飲み過ぎて寝落ちした夜に説得力も何もないけれど、でもほんとうにそんなことをぼくは思った。