ちいちゃんパパのブログ

日々の、あることないこと。なんて、ほんとはちがう目的だったんですけど。まあ。いろいろ

お酒はほどほどにね

先週も金曜日は仕事で銀行へ行ったので、少しのあいだだけれどNHKラジオでごごラジを聞くことができた。

 

ごごラジ、金曜日のパーソナリティは高橋久美子さん。なんか、やっぱり高橋さんはとても面白い。

 

1月末、関東地方も大雪の日があったけれど、この日に高橋さんは滅多に経験できないからということで夜中に夫婦で雪の東京を歩いたんだとか。一緒に歩くだんなさんもきっと素敵な方なのだろうなあと想像したりしてしまう。

 

もしかして、

 

高橋さんてトトロが見えたりするんじゃなかろうか。なんて、そんなばかみたいなことまで考えたりしてね。仕事中、ちょっとやさしいきもちになったりした。

 

さて、

 

この日のごごラジ。テーマが「やらかし五七五」というもの。いろいろやってしまったなあってことを川柳で読んでくださいってことみたい。

 

川柳で読むっていうようなセンスはないけれど、ぼくにもやってしまったなあってことならやっぱりそれなりにある。

 

で、

 

思い出すのは、去年のちいちゃんの誕生日。ちいちゃんの誕生日は2月の後半。ちなみに妻はその5日後。ちなみに、なんて言ったら妻には怒られちゃうかもしれないけれど。

 

去年は誕生日の直前の土曜日にちいちゃんの誕生日プレゼントを買いに行こうね、と話していた。けれど、その前日がたまたま仕事でお酒を飲む機会があったのだ。ぼくは普段そういう機会でもそんなに飲まないので油断をしていたのだけれど。

 

その日は組合関係の意見交換会があって、その年度1年の事業活動についての報告と次年度の事業計画案や活動そのものについて相談というか、そんなことをするのだけど、やってしまったのはそのあとの懇親会。それは居酒屋でのこと。

 

ぼくはたまたま専務理事の真ん前の席に座ってしまった。専務理事というのは、まあ、簡単に言うとえらいひとなのだけれど、どうやら日本酒がお好きなようでけっこうなペース。ぼくはそんなに飲めないけれど、なにが好きかと言えば好きなのは食事と一緒にちょっと飲む日本酒。もしくはちょっとのウイスキー

 

あくまでちょっとなのだ。

 

さて、

 

ぼくは基本会社員だから、組合活動は通常の仕事ではない。だから当然組合の専務理事と話すことも普段はほとんどない。だからこんなときはけっこう困ってしまう。どんな話をすればいいのかなあと。懇親会だし、あんまり仕事の話もなと思うし、堅苦しい話も馴染まない。けど専務理事、読書が好きらしく、なんと話が合ってしまった。

 

「専務理事はどんな本を読むんですか?」と、ぼくは聞いた。

 

「そうだなあ」と、専務理事。「小説ばっかりなんだけどね、ぼくは藤沢周平なんかは全部読んだよ」

 

「そうなんですか」と、ぼくは言った。偶然だけど、ぼくも藤沢周平さんがとても好きなのだ。「ぼくも好きなんですよ。映画も観ましたし」

 

「山田洋二監督のだね。ぼくも観たよ。まあでも、やっぱり小説の方がいいね。奥行きがあるよ」

 

「そうかもしれないですね」と、ぼくは言った。「でも、なんかとっつきには映像っていうのはいいもので、ぼくは藤沢周平さんを知ったのはテレビドラマなんですよね。蝉しぐれという小説が原作のドラマなんですけど」

 

「そうか、蝉しぐれか。あれは代表作のひとつだね」と、専務理事は言った。「たしかにあれはテレビドラマも良かったね」

 

そんなとき、店員さんがエシャロットがのった一皿を持ってきた。

 

「専務理事、ひとつどうですか」と、ぼくは尋ねた。

 

「いや、ぼくはいいよ」と、専務理事は答えた。「そんなしゃれたもの食べたことないんだよな。らっきょならね、食べるんだけど」

 

すると、隣りに座っていた専務理事と同年代の組合の相談役が言った。「そうですか、どっちも似たようなものじゃないですか」

 

「いや、それがね」と、専務理事。「違うんだよ。これがさ、ぜんぜん」

 

「あれですよね」と、ぼくは言った。「食べ方が違うんですよね。ほら、らっきょ漬けならいいみたいな」

 

「おお」と、なぜか上機嫌になる専務理事。「お前、よく分かってるじゃないか。ほら、空じゃないか。飲め飲め」

 

と、

 

専務理事は小説や映画の話になると饒舌で、ぼくもそんな話ならぼちぼち話すこともできて、その度日本酒がつがれ楽しい会話のお酒は進んで、つい飲み過ぎてしまった。

 

でも考えてみると、ぼくはいま経理の仕事をしているけれど、経理の限られた狭い範囲の仕事だけでなく、業に関わる流れのなかで経理という仕事を通して会社の益する仕事をしたいと考えたとき、失礼な話かもしれないけれど社内にはなかなか参考にすべき上司がいなくて、そんな意味では専務理事はぼくが仕事をするうえでお手本とすべきひとなのかもしれない。そんなことを専務理事と話していて感じたりもした。

 

現場を知らないぼくはいつもどこか居心地の悪さというか、申し訳なさというかそんなものを感じていたから、なんとなくこれからの仕事のちょっとした道筋がほんの少しだけれど見えたような、そんな気もして飲み過ぎてしまったのかもしれない。それだけ楽しかったのだと思う。

 

けど、

 

それはそれ。日本酒は飲んだその日は良くて、ぼくは楽しいお酒だったなあなんて思いながら家に帰り、ちゃんとお風呂に入り、歯もみがいたのだ。でも約束の翌日。

 

あたまがいたい。

 

きもちわるい。

 

ぼくはひどい二日酔い。ちいちゃんと誕生日プレゼントを買いに行くことはできず、それは妻に任せることになった。そしてぼくの二日酔いは2日じゃ済まず、なんと月曜日まで続くことになり、やらなきゃいけない仕事だけはなんとかこなし早退することになった。

 

で、

 

今年。ちいちゃんの誕生日はもうちょっと先だけど、待ちきれないちいちゃんは土曜日に買いに行きたいと言った。

 

 

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今年、ちいちゃんが欲しい誕生日プレゼントはこんなおもちゃ。あいかわらず、プリキュアが大好きなちいちゃん。先日始まったばかりの新しいプリキュアのおもちゃが欲しいみたい。

 

まだちょっと早いのだけれど、そんな去年のおはなしもあったので今年は早めに誕生日プレゼントを買いに出かけることになった。

 

「ねえ、パパ」と、プレゼントを買いに行く前日にちいちゃんは言った。

 

「お酒はほどほどにね」

 

「はい」と、ぼくは苦笑い。そんなことまで言えるようになったんだね。まあ、今年の意見交換会は3月の予定だし、多分もう大丈夫だと思うんだけど。

 

「ごめんね、ちいちゃん」と、ぼくは言った。「今年は多分、大丈夫だと思うよ」

 

ちいちゃんは、にこっと笑った。