クリスマスイブ
サンタクロースは我が家に25日にやってきたのだけれど、そのはなしはまた後日。だってぼくはまだちいちゃんの反応をみていないから。
こういうとき、パパって少し淋しいって思う。パパはいいとこどりだよね、ってよく言われるけれど、こどもと一緒に過ごせないということもけっこう辛いんだよってことをちょっとでいいから分かってほしいなあとこんなときは思ってしまう。
たとえばちいちゃんが熱を出したとき、病院に付き添えないで仕事に行かなくちゃいけないということはぼくからすればたまらないものなのだ。
「パパは仕事行ってるから楽でいいよね」
と、ママはよく言うけれど、そんなことを言われた日は、けっこうきつい。なんか報われない気持ちになってしまったりするのだ。
そりゃ看病しながら家のことをして、ってというママは大変なんだよということはよくよく分かっているつもりのうえで、ちょっとだけパパの淋しさも分かって欲しい。ほんの、少しでいいから。
さて、
23日は家族で映画を楽しみにしていたのだけれど、朝からちいちゃんが微熱で調子が悪そう。前日が終業式で、2学期の疲れが一気に出ちゃったのかもしれない。なので横浜へのお出かけはキャンセルをしておうちで過ごすことに。
「大丈夫だよ」とちいちゃんは言ったけど、「そうもいかないよ」とパパは言うしかないわけで。
横浜のポケモンセンターにちいちゃんは行きたかったらしいので、お出かけできなくてちょっと残念だったけれど、我慢したおかげで翌日はしっかり回復。
ケンタッキーやらプリキュアケーキやらと予約をしてしまっていて受け取りが3時半頃だったりしたので、あんまり遠出はできなかったけど、平塚のららぽーとに行ってちいちゃんの洋服を買ったり、ゲームセンターでちいちゃんお気に入りのアイカツのカードゲームをしたりして過ごした。
で、
本屋さんにも寄ったので、「星につたえて」という絵本を買って、後程妻とちいちゃんへということでプレゼントをした。
「パパってまわりくどいよね」
って言うのが妻の評価。それでセンスが良くない、とのこと。で、ぼくはこんなふうに思う。
ふん、そうだよ。ぼくはセンスが良くないさ。けど言わせてもらえばクリスマスプレゼントにルンバが欲しいっていうのもけっこうなセンスだと思うぞ。まあ、結局買わなかったのだけれどさ。似た者同士だぞ!
なんてね。
似た者同士と言えば、本屋さんでよく見てしまうのがヨシタケシンスケさんの「ヨチヨチ父」というエッセイで(買わなくてごめんなさい)、同じパパとして、共感できること、できないなあってところいろいろだけど、そのなかに「愛嬌のある顔だよね」ってことについて書いてあるところがあって、
自分のこどもというのは他のどの子よりもかわいく見えるものだけど、ときどきほんと完璧ってくらいかわいい子というのがいて、そんなときその子とくらべて「うちの子は愛嬌のある顔なのさ」って思うんだとか。
そうかもしれないと思いつつ、その実ぼくはいままで、よその子ももちろんかわいいなあと思うけれど、ちいちゃんよりかわいいとは思ったことがない。
そんなことを妻に話したら、「パパってほんとどうしようもないくらい親バカだよね」
なんだとか。
けど妻は続けました。「でもさ、実は私もそうなんだよね」
どっちもどっちの似た者同士。でも、なんかここまで親バカだとあんまり笑えない気もするけれど。
***
夜はささやかだけれど、クリスマスパーティ。
家族3人のささやかなクリスマスのパーティは、ちいちゃんのなかでどんな思い出に変わるかな。
買ったときは大きすぎるかなと思ったクリスマスツリーは全然そんなこともなく電気を消した部屋を彩って、プリキュアのクリスマスケーキに灯したろうそくの火をちいちゃんが吹き消して、クラッカーを買い忘れてしまったからみんなで拍手をして、誕生日じゃないんだからって言って3人で笑った。
素敵な思い出になってくれたならいいな。
熱を出して横浜には行けなかったことや、ケンタッキーとケーキだけでお腹いっぱいになっちゃってせっかく用意した手巻き寿司は全然たべられなかったこと、そんなことがどうか素敵な思い出になってくれたならいいなと思う。
たしかにヨチヨチではあるけれど、紛れもなくも情けないちいちゃんの父として。
そんなことを思った、クリスマスイブの夜だった。